夜中目を覚ますと、漆黒の闇に包まれていた…

前回加齢による色覚異常について記載いたしましたが、今回は夜間視力の低下についてお届けします。

夜目が覚めて寝室を見回したときに常夜灯をつけていても真っ暗に感じたり、明るい部屋から暗い廊下へ出ると、周囲の状況が見えない、そんな経験はありませんか?時間とともに慣れていくのですが、それまでなかなか動けずじれったさを感じます。

この暗さに徐々に目が慣れていくことを「暗順応」といいます。暗さの中でも見えるようにと瞳孔が光を調節し、桿体細胞内で光を感じ取る物質(ロドプシン)が出る、年齢を問わない人間の自立機能の一つです。

特に高齢になると瞳の機能が落ち、虹彩の調整機能が衰えてしまうため、必然的に若いころよりも暗さになれるまでの時間が長くなってしまうのです。

その為、若いころの心持では怪我の原因となることがあるのです。

 

暗順応の時間が遅くなると…

高齢者自動車講習では、明るい場所から暗い場所に移った際にどれだけの時間で周囲が見えるようになるか調べる検査があります。先日講習を受けた私の母曰く、「時間がかかったな…」と心配していたら、一緒に受けた人がみな仲良く同じ位時間かかったそうです。

この検査は、暗順応が衰えることで、夜、明るい部屋から車に乗った時や、晩秋から冬にかけて夕暮れの時間が早くなると、周囲の暗さに目がなじまずうっかり事故が高齢になるほどリスクが上がってくるため行われます。

「ヘッドライトがついているから安心だ!」

と、ついつい思ってしまうのですが、周囲がしっかり見えるようになるには若い方でもおよそ30分はかかるといいます。その為年齢にかかわらず夜間は運転からしばらくの間は、ヘッドライトで照らしていてもちゃんと見えてはいないのです。

光を感じ取る物質ロドプシンが出るまでの時間です。虹彩の調整だけはそこまでの時間はかかりませんが、それだけではまだぼんやりとしており、順応しているとは言えません。暗い場所から明るい場所に出た際の明順応は虹彩の調整だけの為ここまで時間はかかりませんが、加齢とともに調整機能は落ちるためトンネルから出る際は注意が必要です)

ましてや順応の時間が遅くなっている高齢者の場合、先の記事でも記載した水晶体の混濁による色覚異常の影響もあり、常にサングラスをかけてるような状況ですので、より一層の注意が必要となるのです。

 

寝室のインテリアはシンプルに

年齢が上がるにつれ、寝室のインテリアは、何よりもシンプルであることが大切です

若いうちはいったん眠りにつくと、途中で目覚めることが少ないため、「寝室=静のスペース」と考えられますが、年齢が上がると体力が落ちる分眠りも浅くなり、また、おトイレに起きる回数も多くなるため「寝室=動のスペース」と考える必要があります。

そのため、動線の確保がとても大切となってきます。

寝室に洋服やバッグなどの服飾小物も収納している方も多いと思いますが、収納しきれず、床置きになってるものはありませんか?また、追加出購入したカラーボックスや、バランスの悪いハンガーラックなどの収納家具が動線を狭めていたりしませんか?

昼間はさほど気にならないでしょうが、暗い部屋の場合周囲は見えにくくなり、夜中目が覚めた時など足元は漆黒の沼のように見えることがあります。

寝室を一人で使用されている場合手元灯をつけ、部屋の暗さに目が慣れるまでの時間を少なくできますが、二人で寝ている場合など相手の目を覚まさないよう気づかい、常夜灯の薄暗さのまま起き上がるため、うっかり脚や体をぶつけてしまうようなものがあると転倒の恐れがありとても危険です。

但し、ある程度スペースに余裕がある場合は高さが80㎝~100㎝程度の収納家具を選び、ドアまでの動線に沿うように配置すれば、手すり代わりに使用も出来、暗い部屋を動く際の道しるべとなります。(お布団で就寝の方は転倒防止のため金物などで固定をしてください)その際、天板上に小物や化粧道具などを置くと、手探りで動くためうっかり倒してしい危険です。そもそも寝室は埃の原因となる繊維くずが多く舞い散るスペースですので、お掃除のしやすさを考えても天板上には小物をあまり置かないことをお勧めします。

ラグなども小さな段差が出来てしまい、躓くことがありますのでお勧めしません。(段差の危険についてはまた改めて記載いたします)

 

廊下や階段に明かりをプラスしましょう

Photo by フォトAC

照明メーカーのカタログでも廊下用の照明は照度の低いものがほとんどです。可能な場合は照度の高いものへ交換されると良いでしょう。特に距離があるときは数か所、足元にホタルライト(センサーライト)をプラスされるとより安心です。最近は電池仕様の商品もございますので、電気工事を行う必要が無く手軽に設置が出来ます。

昼間でも事故の多い階段は、廊下以上に注意が必要です。

階段の照明は基本的には上階の天井につける場合が多く、階段を降りる際に自分の陰で脚元が暗くなってしまい、下階につけると降りる際にまぶしさが気になり、上るときにはやはり自分の影が邪魔します。

階段には出来るだけ足元灯をつけることをお勧めします。こちらも電池仕様のホタルライトでも良いでしょう。

ご自宅の事情などもあるかと思いますが、年齢的が上がってきましたら出来るだけ1階で、なおかつおトイレに近い場所を寝室とされることをお勧めします

 

寝室の事故を防ぐ第一歩は、レイアウトの見直しと、整理と収納計画です。コロナで時間があるこの時期を利用して一度見直してみませんか?

 

寝室のレイアウトや照明の選定などお気軽にご相談ください