デッキでくつろぐための工夫(軽井沢町:S邸)

以前東京で暮らしていたとき、久しぶりに帰省をすると、林と田んぼに囲まれた実家の周辺環境が宅地開発により様変わりしてしまい、とてもびっくりしたことがあります。

核家族化が進む中、住宅の個数が増えるのはやむを得ないことですが、ずっとそこで暮らしてきた人にとっては今までどおりの生活に違和感を感じるようになり、日々の暮らしの中で少々ストレスが生じるようになります。

時間の経過によって徐々に慣れて来るのでしょうが、毎日のことですのであまり我慢をせず、今の住宅の在り方を見直し少し手を加えることで、心地よく暮らしていく方法を検討されてはいかがでしょうか?

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今回担当させていただいたS様のお庭では、ガーデニングがお好きな奥様の手によって、様々な種類の多年草が生き生きと育っておりました。

お話を伺うと以前は畑と、手つかずの自然が一面広がっていたそうですが、数年前にアパートが建ち、今年の夏には庭の周囲が大型店の駐車場へと変わってしまうとのこと。

今までは庭仕事の手を休めたり、バーベキューを行ったりと楽しんでいたデッキのスペースも、なんとなく落ち着かない場所になってしまったそうです。

誰かが覗くことがないのはもちろんご承知の上なのですが、やはり、今まで人の動きが目に入らなかった場所であればなおのこと、車の行き来や人の往来によって気持ちが休まらないのはとても良くわかります…。(私自身が周囲に誰もいないお庭で、一人黙々と草木の手入れをすることが何よりの楽しみなので…)

ご自身でオーニング用のシートを目線が遮れる高さで畳んで、のれんのように取り付けられていましたが、布製なので強風が吹くとバタバタとはためいてしまい、透過性も少ない分視線は気にならないのですが、陽もあまり通さないためデッキ側には圧迫感が生じておりました。

そして今回、

「デッキやお部屋の中にいる時に落ち着けるようにしたい!」

とのご依頼から、デッキスペースの梁と柱をそのまま活用し、ラティスを取り付けさせていただきました。

Before

 

After

提案としてはとてもシンプルなものですが、これだけでも心理的な効果は十分得られます。また、格子を通じて程よい光や、風も入ってきます。

ラティスのカラーも既存の梁の色と合わせ塗装を行いましたので、はじめから作り付けだったように違和感を感じることがありません。

またこの段階では立位での視線を意識しただけでですが、夏までに駐車場側に1500㎜程度の針葉樹を植栽する計画があるため、デッキの椅子に座ったとき視線を遮るものが必要かどうかは駐車場工事が完成後に改めて検討したいとのことでした。

取り付けが完了後、奥様がとても喜んでくださったとのこと!!!

ありがとうございました!

 

周辺環境の変化に合わせた新しい住まい方、ご提案いたします