使命を終えたベッドに、新しい命を吹き込む

ライフステージの変化は、住まいを見直すタイミングになります。

その際、不用品を見直す良いタイミングとして、新しい生活に合わなくなってしまったモノは思い切って処分する方が良いのですが、思い入れのあるモノはなかなか決断できないものです…。

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ご結婚を機にお引越しを予定されている方から、ベッドのリメイクのご依頼を頂きました。

カラマツの重厚なベッドはまだまだ十分使用できるが、新居で使用するにはスペース的な問題もあり、このまま使用し続けることが出来ない。ただ、簡単に廃棄してしまうのは気が引けるとのこと。

実は、こちらのベッド、弊社でキット家具として販売をしており、ご本人が小学生の頃に親御さんと共に作り上げた、思い出のある家具

出来るものなら、別の家具に仕立てることはできないかとのご相談でした。

充分材料としても使用できる状況でしたので、どんな家具に仕立てればよいのか新居のご準備を伺うと、まだまだキッチンの収納家具が少なく、また、お料理をする際に盛り付けなどの場所が必要なため、これから購入をしないといけないとのこと。

ならば、ベッドを解体し、キッチンカウンター兼収納家具にリメイクしようということになりました。

使用するベッドはこちら!(※以前製作した際に撮影した画像です)

ご希望に合わせて図面を引き、ベッドを解体して、ビスなどで空いた穴、削っても消しきれない大きな傷や汚れのある部分を除き、使用できる材料を選びます。

再利用する材料は削り直し(傷をそのまま残した材料を使う方が家具の記憶も残り、味わいある仕上がりとなる場合もありますが、今回はキッチンで使用するため清潔感を出したいとのご希望に合わせ、きれいな材に仕立て直しました)、足りない材料は新たに入荷をして、新たな命を吹き込んでいきます。

今回、お客様のご希望で塗装はご夫妻で行っていただきました。これも良い思い出です(笑)

実際に使用したのは主にスノコとして使っていた材料。側板と、幕板などの躯体となる部分に活用することで、重厚感のある仕上がりとなりました。コスト面を抑えるために天板はパインの集成材を使用しました。

ご希望通りの仕上がりで、大変喜んでいただき、お引っ越し後は調理もしやすくなったとご報告をうけました。

若いお二人と共に、家具も新たな人生(?)のスタートを切ることが出来ました!

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今回は、無垢材を使用した家具のため再利用しやすく、また、塗装も蜜蝋による仕上がりでしたので、軽く削り直しをするだけで新品の材料のようになりました。(※ウレタン塗装の場合など、しっかりと塗装面を削り取ってから下地処理を行うため、再塗装だけでも作業料金が高額になることもあります)

残念ながら家具によっては、フラッシュ(枠材に薄い単板を貼ったもの)や、木製でない家具(紙や木を砕いたものを圧縮し、木目プリント紙を貼った材料)もあり、すべての家具がご希望通りリメイクできるわけではありません

またリメイクの場合、製作する内容によっては新品でお作りする場合と比べると、大差なくなることも、または、より高額になることもあります。

それでも、

「大切な家具だから、このまま処分するのは気が引ける…。」

と、どうしても処分できない思い入れのある家具がございましたら、まずはお気軽にご相談ください!

 

建物のリフォームだけでなく、家具のリフォームもお受けいたします!