リフォームを考える前にぜひ実践していただきたいこと③家族と整理収納
「リフォーム前に是非実践していただきたいこと」として、収納計画を立てるためにも実際にご自宅にあるものの量を把握する必要がある為、3回にわたって整理収納について書かせていただきました。
最終回は「家族と整理収納」についてお送りいたします。
*家は家族みんなの自由な場所*
整理収納を実際に初めて行くと、大きな壁に当たり、先に進みにくくなることがあります。
それは、自分以外の家族の所有物。
本当は家族そろって、
「頑張ってやっていこう!!」
と、気持ちをそろえて片づけを始められれば良いのですが、現実的にはホームキーパーとして中心的に家事を行う人が、黙々と行うことになりがちです…。
そして、自分では判断できないものが現れると、片付けることも、捨てることも出来ず、ついついイライラしてしまいます。
「もう面倒だから全部捨てちゃおう!!!!!!」
と思っても、ちょっと待ってください!どんなに邪魔でも、いらないものに見えても、個人の持ち物は個人の所有物なので冷静になりましょう!(汗)
ではどうしたら良いのか、考えてみましょう。
*学校の教室を思い出してみましょう*
学生の頃のことを思い出してください。
教室という大きなスペースの中に、30人以上の人間がいるのにごちゃごちゃと散らかっているという印象はあまりありませんでした。
それは、教室にはそれぞれ自分用の収納棚やロッカーがあり、体操着やカバンなどの大きなものはそこへ、教科書や筆記用具などは自分の机の引き出しの中に収納していたため。
引き出しの中や、ロッカーの中がどうなっているかはそれぞれの意識の差できれいか汚いか違ってきますが(汗)、教室という大きな空間としてはきれいだった気がします。(小学生の頃の友人に読まれたくない私だったりします…(汗))
そして、音楽室や、理科室、家庭科室や、美術室などには各自の持ち物は一切置いてなく、専用の道具類が取り揃えらているため、どの学年、どのクラスの人が使う時でも、教室から移動してすぐに授業を始められました。
どうでしょう?学校は快適に集団生活が出来るように、とても効率よく整理収納が出来ていたことを思い出せますよね。
この学校の整理整頓を家に応用してみましょう。
*リビングはみんなで共用するパブリックスペース*
リビングは、学校に例えると教室のように、誰もが集まるパブリックスペースです。
風通しがよく、落ち着ける自分たちの場所ですから、いつでもきれいに保っておきたいものです。
となると必要になってくるのが、各自のモノを置く専用のスペースです。もし、個別の部屋を用意できれば一番いいのでしょうが、なかなか家族全員に個人用の部屋を用意するのは難しいものです。
でも、リビングは他の部屋に比べて大きなスペースが確保されているため、学校のロッカーや収納棚のように収納家具を用意し、それぞれの使用できる棚を決めることで、各自のスペースが確保できます。(できれば各スペースごとに扉のあるもののほうが、ごちゃごちゃしたモノが見えないためお勧めです。)
収納家具の容量を決めるには、まず、大きな箱にそれぞれのモノを分けてみると決めやすいです。
そして収納家具選びのポイントですが、なんとなく気に入ったからと小さめのキャビネットを購入すると、後でまた収納家具を買う可能性が出てきてしまいます。余計な家具が増え動線を閉塞させないためにも、容量計画はしっかり行いましょう。(安心して購入できる容量の目安は、持ち物を入れて2割ほど空きスペースが余るサイズです)
この作業の途中で、各自に内容を確認してもらうと、
「あ、これいらなかった!」
なんてことも起こります(笑)ようは、初回にお伝えしたように、見ているようで見ていないだけなのです。
次に、この場所に収納して良いモノは、学校の教室と同じようにその場でまめに使うものだけにします。
リビングで本を読みたい人は、読みかけの本を、今日の情報やSNSを楽しみたい人はスマホやタブレットなど、家計簿をつける人は筆記用具類(筆記用具も基本的にはそれぞれ好みが違うので、各自で持っているほうが良いでしょう)。のんびりテレビを見ながら編み物やプラモデルをしたいなら今作っているモノなどなど…。
こうして各自のスペースができたら、学校と同じように、
「寝る前に、自分の場所に戻す!」
というルールを決めれば、常にリビングをきれいに保つことができます。
各自の部屋に持って行って片付けるようにすると、僅かな違いですけどちょっと面倒に感じてしまうのですが、その部屋の中に自分のスペースがあると対して苦にすることなく片せます。片付けの鉄則は「その場で使うものはその場に片付ける」といわれますが、共有空間であるリビングでも同じように考えれば良いのです。
そして、衣服や、カバンなどは、帰宅したらすぐに寝室など専用の収納がある部屋に持っていくようにこちらもルールを決めておきましょう。
*専用の目的のある場所に、個人のモノは置かない*
理科室や家庭科室などにはたくさんの道具があるのにとてもきれいでした。
それは、その場で使用するものだけが必要な数収納されていて、各自の持ち物を置くことが出来なかったから。
リビングの次にごちゃごちゃしてイライラするのが、ダイニングスペース。それは共用する専用のスペースだから。それなのに、食事に関係ないモノがあると、理科室のテーブルに絵の具が載っていたり、楽譜が散らばっているような空間に不協和音が発生してしまうから。
なぜ、そんなことになってしまうのか?
「割れ窓の法則」をご存じですか?
窓が割れたままになっている家をそのままにしていると、いつの間にか、落書きされたり、ごみを置かれたり、他のガラス窓も割られたりと軽微な犯罪が積み重なり、犯罪が多発する無法地帯へとなってしまうという人間の心理です。
ダイニングのごちゃごちゃも、ちょっと一本ペンを置いてそのままにした、届いた手紙をそのままにした、髪飾りや腕時計をちょっと置いてそのままにした、そんな些細な「そのまま」の繰り返しによって、気づけばいろいろなものが堆積した横で食事をとるようになっていたなんてことに…。
特に、家族が減るとダイニングテーブルの上にスペースの余裕ができるため、なおのこと気に掛ける必要があります。
理科室は実験をする場所、家庭科室は調理をする場所ということと同じように、ダイニングは食事をとるための場所です。もし、各自が食後ちょっと使いたいモノがあれば、リビングの専用収納スペースに片付けるようにルールを決めましょう。
「食事に使うことがあるから、ちょっと置いておいても…」
と、調味料やふりかけなども使うときにキッチンから持ってくるようにしましょう。テーブルに調味料を置いておくと、塩分の取りすぎなどのマイナスの要因も発生します。
*50代のリフォームでは整理収納は大切なテーマ*
ここまで、リフォーム前の整理収納をテーマとして書かせていただきました。
また気づきがあったら、随時、整理収納についても書いていこうと思います。(学校たとえでまだまだ書きたい場所があります(笑))
特にこれからリフォームを考えていらっしゃる方にとって、整理収納はとても大事なテーマとしてとらえていただけたらと思っております。それは、サイトでも書かせていただきましたが、50代はまだまだ元気なので、整理収納の作業も始めれば何の問題なく終えることができるからなのです。
では、年齢が上がってから行うと、どういう問題が起きるのか?
福祉住環境整備カテゴリーの
をご覧ください。
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